「中学受験もクラブツーリズム的な、ゆるやかな親の連帯のなかで進められるといい」というのは、以前、ご紹介したM先生の持論です。
「クラブツーリズム」とは、旅行に行くとした場合、消費者である旅行者が主体となって旅行を組み立て、それぞれの目的に沿った旅をつくりあげようというものです。
日本人の海外旅行を例にとってみれば、「JALパック」ではじまったといわれる海外旅行も、今では格安航空券を活用して個人手配の旅行が主流となりました。その背景には、個々人のニーズに旅行会社が対応しきれなくなっただけでなく、その方がコスト的に割安にもなることに人びとが気づいたからでもあるでしょう。
現実に、旅行をテーマにした同好の士が集う場所は数多くあります。そこでは、利害関係はなく、ただたんに旅が好き、特定の目的地が好き、ということで人びとが集いあっています。
それと同じように、中学受験においても同じ目標に向かって旅をする仲間が、ゆるやかな連帯のなかで共々に交流しあえればいいのではないか、というのがM先生のご提案骨子だと理解しています。
じっさい、これまでも、このご提言を具体化された方々は、少なくありません。
数名で場所を確保し、先生を見つけてきて教えていただくとか、等身大の入試情報を得るために保護者が集まって受験講演会を開催したりと、さまざまな形で保護者が協力された事例を耳にしております。中学受験を通じて、新たな人間関係が構築できるとともに、同じ悩みを共有し、中学校進学後もそれぞれの立場で情報を交換しあったりして交流されておられるようです。
こうした、クラブツーリズム的な輪をもっていくための秘訣は、リーダー的な存在がいらっしゃることと、非営利を貫くことが大切だと思います。
じつは、「アケ・パパ」は、趣味が海外旅行です。それもハワイが大好き。仲間とともに、「アロハクラブ」という文字通り「クラブツーリズム」に参加しています。発足以来、10年以上が経過しますが、一切の利害関係とは離れたところで、お付き合いできる多くの皆さんがおられることは、自分の財産だと思っています。職業や住まい、立場がまったく異なったところにおられる方と接する機会がもてることは、人生の彩りを豊かにしてくれるような気がします。
そのハワイ。今年はダメそうです。
「夏休みの8~10日くらい、塾の夏期講習を休んだって、どうってことないだろう。ハワイで勉強すればいいじゃない?」というアケ・パパの発言は、「何を言っているの。10日も講習を休ませるなんて、受験生の親失格です。お兄ちゃんの時も、受験学年では旅行はしませんでした。第一、先立つものは、どうなんですか。今年一年間の中学受験費用は100万円は超えると思いますよ」という、アケ・ママの論理的かつ現実的な反論によって一蹴されてしまいました。夏休みハワイはGW明けの5月中旬には、航空券の手配だけでもしておかないと実現はかなり難しいのですが…。
でも、おかしいですよね。年に一度の家族旅行が、たかが中学受験くらいのことでフイになってしまう現実をみなさんは、どうお考えでしょうか。
中学受験に要する費用が100万円を超えるというのも、知ってはいましたが、「う~ん」と唸るしかない金額ですね。「アケ兄」の大学授業料の倍ですから。
0 件のコメント:
コメントを投稿